日本文学第16回 国木田独歩 - 武蔵野
国木田独歩の「武蔵野」です。
1898年の作品。発表当時は「今の武蔵野」というタイトルでした。
素敵な、画像ですね・・・。
あらすじ、は、ありません。
ひたすらに、当時の武蔵野の景色を、詩的に紹介していきます。ストーリーがありません。小説ではなく、随筆、エッセイと言ったほうがいいんでしょう。
浪漫主義に分類されているようです。これはもう、よくわかりません。
でもすごくよかった。
多分読んだタイミングが良かった。
ものすごく私的な領域の話なんですけど、最近彼女と別れたり、会社の人事に納得いかなかったり、心が乱れていたんですよね。そんなときに読んだんです。
綺麗な風景、詩的ながらも簡潔な文章、すーっと心に入ってきました。
地域的にも、自分の生活圏の近くで、親しめたのもあったかもしれません。
散歩にはまっていた時期があって、5時間くらいかけて、20数キロとか歩いたこととかあるんだけど、ちょうどこの地域だったかなって。もちろん景色は全く違いますが。
でも、こんなところにこんな景色があったのか、と思ったり、突然生活を感じたり、なんだか近いものを感じました。それは地域関係なく、どこともなく歩いていれば感じることなんだろうけど。そんなことを考えて、今風に言えばエモい気分になりました。
ちょうどいいときに、いい作品に出会えてよかったです。